モノクローム 1/144  九七式大型飛行艇 二三型


 独特なデザインが魅力の九七大艇ですが、まだまだ飛行機の設計技術は発展途上の時代、
 その当時としては新しいアイデアを盛り込んで設計されています。

 空気抵抗低減のためにエンジンを主翼前列に配置、そして主翼面積を稼ぎ、エンジンが飛沫の影響を
 受けないよう高位置にするために一枚翼をパラソル式配置、方向安定性を良くするために尾翼を二枚に
 するなど、この魅力的なデザインは、要求された性能を実現するために必然的に決まったのです。

 そうして諸々のアイデアを盛り込んで作られた九七大艇は、海軍から要求された以上の高性能機として
 完成、当時の日本機としてだけでなく、世界でもトップクラスの性能を持つ飛行艇でした。
 そして九七大艇の完成を境にして、日本の大型機設計技術は飛躍的に進歩し、高性能の陸攻や重爆が
 生み出されて行ったのです。

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