海洋堂1/15 「試製・超人機」

    タイトルに「試製」と付けていますが、劇中でそう呼ばれた訳ではありません。
    メタルダーは日本軍の試作兵器なので、このほうが「らしい」かな…と思いました。
 メタルダーの横に並んでいるのは「トップガンダー」、メタルダーの宿敵にして最高の戦友です。
 格闘専用ロボと射撃専用ロボが手を取り合って帝国軍団と戦う物語終盤は非常に燃えるものが
 ありました。
 悪の帝国に対抗するために、過去に試作した超兵器を目覚めさせるという基本ストーリーに、放送当時
 「こいつはスゴイぜ!」と胸躍らせたものですが、今になって冷静に考えると、いくら高性能の超兵器とは
 いえ、圧倒的な数の帝国軍をたった一機のロボットでどうにかさせようとしていた古賀博士ってそうとう無茶
 だなあ…などと思ってしまうのでした。
 まあ、物量を誇る敵に対して少数高性能な武器で対抗しようという図式は、確かに日本の兵器らしいと
 言えば、らしいのかもしれません。

 それでも一ファンとして、愛を込めてこじつけを考えるとすれば、超人機の存在は結局のところ陽動だった
 のではないか …と考えます。

 世界経済に大きな影響を及ぼす「桐原コンツェルン=ネロス帝国」に対し、アメリカ政府が何もせず黙って
 いるはずもありません。
 そこで、戦後にNASAの研究員となっていた古賀博士に依頼し、メタルダーに目立った活動をさせること
 で、ネロス帝国の目をそちらに向けさせ、水面下ではアメリカ政府がスパイによる対軍団工作を行ったり、
 桐原コンツェルンに対して経済戦を仕掛けていたりしたのではないでしょうか。

 そう考えると、物語終盤に海外で活動していた暗殺ロボットが帰国してきた理由は、海外での活動が困難
 な、切迫した状況になってきたと考えられますし、最終回近くで帝国軍がかなり疲弊していたように見えた
 のは、会社の経営が厳しいものになっていたせいなのではないか …等と深読みできるのです。

 余談と言うか疑問なのですが、ネロス帝国ってもしかしたら日本特撮史上初の「(株)悪の秘密結社 」
 なのでしょうか。


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